まさか、君のことを綴る日が来るなんて。
あの日から今日まで、私は一体どのように過ごしてきたか殆ど記憶がない。
君はスポーツ万能で、リレーのアンカーを務めるような人。
男女問わずに人気があり、学級委員や班長に選ばれるような人。
思い遣りがあり、行き届く気配りで、救われた人は多かっただろう。
あの日だって、人を助けた後に自身が巻き込まれたと聞く。
あまりに君らしくて、誰もがそう言って、納得しようとしている。
でも、
「らしくなくても、生きていてほしかった」
「君のお陰で助かった人と共に、君にも生きていてほしかった」
1人の時は、慟哭という言葉がぴったりだと思うほど号泣した。
夜中は周りに気付かれないように、むせび泣いた。
きっと、私以外の仲間たちも同じだろう。
しかしそれは、人知れず。
どこから誰が傷付けてくるか、分からないからね。
報道で公表された日の朝、夢に出てきてくれたね。
君は昔のような短髪だったし、君も私も今よりも少し、若かったよ。
爽やかで、ユーモアがあって、そこは昔も今も変わらないよ。
きっとこの先もずっと、君は変わらないだろう。
思い出話をするほど、まだ過去のことにはできない。
前向きにもなれない、乗り越えることもできない。
君なら「それでいい」と言ってくれるだろう。
また会える日を思いながら、仲間も私も、今を生きていくよ。